相方の車に冷房はないので、週末から始まった猛暑の中を窓全開で走り、汗をかきにくい私も汗だく。
途中、ショッピングセンターで涼みながら、帰ってきたのは夜の9時半くらい。
ショッピングセンターに寄ったついで食料品の買い出しをしたので、車から降ろしていると、相方が何かしゃべってる。
ん? 英語だぞ。
顔を上げると、自転車に乗った男性が。荷台は荷物てんこ盛り。いかにも自転車で旅する人。
ぞくぞくと後ろから仲間が集まって総勢4人。
私も混ざって話を聞くと、アテネからアムステルダムまで自転車旅行をしているギリシャ人4人組で、ホテルとトラットリアを探しているという。
ホテル? この時間にこの小さな街で? しかもできるだけ安く泊まれるところ?
かわいそうだけど、、、ない。思いつかない。まったく。
小さな街と言えど、無茶苦茶小さいわけではない。ホテルは一応4軒ある。B&Bも2、3軒あるはず。
でも安くないんだよ、全然。
しかも、この時期、一番大きなホテルは夏季休暇とっちゃって休むんだよ。(夏季休暇をとるホテルは、この街に来て初めて見たよ、私は。)
うーん、うーんと考えているところで、相方が、
「今からパスタでも作る?」と言い出す。
え? うちか? わが家に招くと言うのかい?
うーん、自分たちも食事はこれからだから別にいいけど、1日中動き回って汗だく。しかも家の中はまったく掃除してない。すぐさま「いいよ」と言えなかった私。
それに、今自分たちの家に招き入れても、この人たちは泊まるところを探さなきゃいけない。わが家はスペース的にひとり泊めてあげるのも難しい。うちでのんびりするわけにもいかないだろう。
自分たちで紹介できるところもないので、一応近所のトラットリア(ここは知り合い)を紹介して、私たちは一旦家に。
でも、知り合いのトラットリアは金曜の夜は毎晩満席。そんなところに汗だくの自転車4人組を送ってしまった相方は気になるので、すぐに追いかけるといって出ていった。
で、帰ってくると、、、。
「マンマに電話して、マンマの家に泊めてもいいって承諾もらった! 今4人はトラットリアで食べてるから、後でマンマの家に連れて行くことにした!」らしい。
相方には4人の対応がとても感じ良かったので、泊めてあげるくらいいいだろうと思った様子。
あぁ、それが一番よかろう。
幸いなことに、相方の両親(父親はずいぶん前に亡くなってますが)、こういう客を歓迎しちゃうタイプなのだ。それを引き継いでいる相方は、どーにかしてあげたかったらしい。(マンマはこの日は外泊だったので家にいなかった。)
私たちもささっと食事を済ませ、急いでトラットリアで4人と合流。
食後、相方が車で先導して2キロくらい離れた相方マンマの家へ。
マンマ宅まで私が行くと、寝る場所がなくなるので私は自宅に帰りました。
すでに12時をまわっている。
急に来た猛暑の炎天下を自転車で走った人たちだから、ざっとシャワーを浴びてぐっすり寝たことでしょう、、、。
翌朝、私は自転車で相方マンマ宅まで行き、朝ご飯に合流。
いろいろと話を聞いてみた。
朝食後、荷物をおしゃべりしつつ荷物をまとめるバイカー達 |
今は4人だけど、実は8人グループでアムステルダムを目指すらしい。
残りの4人は後発隊で、この日にアテネからミラノへ飛行機で向かい、コモ湖で8人が合流するらしい。
自転車旅行するぞーって人たちだから、トレーニングしたり、毎年色んなところに行っているのかと思いきや、これが初の旅で、トレーニングを始めたのはつい最近。
何が笑えるって、道路の下調べもしてないから、スマホのGoogleマップで目的地まで徒歩で行くコースをセットして、ほぼそれに沿って行くという。
なんと、かなり適当!
朝ご飯に合流といっても、早朝なわけでもなく、既に8時半くらい。もう外はそれなりに暑い。
でも、4人のうち2人は普段は夜型生活なので、朝は急がないことにしてるんだという。
いいのか、それで?と思ったけど、いいんでしょう、この人たちには。
なんか、ゆっるーい自転車旅だなぁ。いいねぇ。
4人ともそれほど若くも見えない。1人は確実におっさん。聞くと60歳だと!
うひょー。一番体力がありそうな人なんだけどっ!
こちらの60歳の方の娘さんが後から来るメンバーの奥さんなんだそうな。
ギリシャ語なのでよくわかんなかったけど、「再会したときは、”パパー!”とか言って、抱き合っちゃうのかな」なんて冗談を言っていたっぽい。楽しそうなグループだなぁ。
朝ご飯を食べたら出かけなければいけない彼ら。何といっても、今日はコモ湖で後発隊と合流するんだから。しかもここからコモ湖、100キロかそれ以上あるし。
準備を済ませて9時半過ぎに、スマホでググって道をセットし(笑)出発!
太陽の下、快調に走っていきましたよ。次はギリシャで会おうって。
いいな、いいな。旅はいいな。
結婚前、ひとり旅派だった私は、道すがら色んな人にお世話になって助けられた思い出がたくさんある。
ずっと連絡を取り続けていたイギリス人夫婦は、夫婦ともに10年くらい前に亡くなっているけれど、今はその息子さん夫婦家族とときどき連絡を取り合っている。
どこでどんな形で出会っても、こういった出会いは人生の宝だなぁと思う。
自分が助けられた分、誰かが同じ立場にいたら助けたいと思いつつも、自分の都合を咄嗟に優先させようとしてしまった私。何となく心がにぶってしまったなぁと思う瞬間でもあった。
でも、相方がこういうことを率先して受容れるタイプの人で良かった。ちょっとにぶっている心を晴れさせてくれたかも。
こちら、8人のバイカーの旅ブログ。ギリシャ語なのでまったくわからないのが残念なのですが。
こんにちは(^^)
ReplyDelete以前に、トスカーナのオルチャ渓谷にて、同様の自転車オヤジたちに出会ったことがあります。よ〜く見てみると腹の突き出たオッチャンなんかがいたりして、大丈夫???と思いましたが、観光もしながらのゆる〜い旅のようでした。totoさんが会われたこのグループも、しっかり予定を立てて行動する日本人には考えられないですが、時間やお金の使い方っていろいろだと思わせてくれますね♪
永ともさん、こんにちは。
Delete去年の夏は知り合いのおじさん、70近くて片目が事故でほとんど見えない方なのですが、ルルドの泉まで1週間ほどかけて行ってたのを思いだしました。他にも60近いおばさんが、サンティアゴの巡礼に自転車で行くと言ってトレーニングを積んでましたが、こちらは決行数カ月前に心臓発作を起こして断念。快復して自転車はあきらめたけど、今年は海でバカンスしているようです。
競技自転車スタイルに着替えて後ろにビジネスバッグを載せて通勤する人もいるので、やっぱりこの国は、ゆるくも、本気も含めて、自転車が盛んなようです。しかもバイカースタイルばっちりの競技自転車をよく見かけます。
ギリシャ人バイカー達はあちこちで自転車乗り達に会うのでびっくりして喜んでましたよ。ギリシャではこんなに自転車乗りはいないって言ってました。
こういう旅の時間も素敵ですよね。