Friday, 28 October 2011

ラテン系は声が大きいのか?

雨模様が続いた後、ここ数日は日差しが戻ってきた。
天気がいいうちに、、、ってことなんだろうけど、住んでいるアパートに庭師が来ている。
この庭師、うちの家族やその知り合いがよく頼むピエディーノさんという。
いつだったか紹介したこのおじさん
ちびっこだけど筋肉隆々の体は今も健在。いつも作業用のドデカいトラクター(っていうの?)でやってくる。

太陽が出ているうちに作業をするから、朝一からピエディーノの声が聞こえてくる。
とても特徴がある声。そして、声がでかい。市場にでもいる気分。
さらには、ほぼ必ず、1日1回以上は大家さんや奥さん、手伝っている人と言い合いになり、ひときわ声がでかくなる。

私が作業している部屋は庭につながる駐車場。もちろんピエディーノの作業はここも入る。
正直、うるさい。うぅー。そんなに声を張り上げなくってもいいじゃんかー。


イタリア人って声が大きいと思う。
道を歩いていても、公共の乗り物に乗ってても、携帯で話している声がうるさいこと、うるさいこと。まー、とにかくうるさい。
相方の家族は、そんなイタリア人の中でも静かなタイプがそろっている。そんな家族の中にいるせいか、イタリア人の声の大きさに未だに慣れきれないでいる。


今月の初めにカターニアに行った時、空港から街中行きのバスに乗ったときに遭遇したばーさんもすごかった。
先にじーさん二人が乗ってきた。これまた味わい深すぎなじーさんで、顔に刻まれたしわも深すぎて、伸ばしたら実は色白な肌が見えるんじゃないか?ってくらい色黒で味ありすぎ。口にくわえたタバコは、新しいタバコの先がちょっとだけ焦げている。バスが来たから火を点けるか点けないかくらいで消したんじゃないかと思うけど、未練か面倒なのか、くわえたまま。まさか、バスの中で火を点けちゃうんじゃないかと心配したけど、それはなかった。
そして、ばーさんが一人乗ってきた。
このばーさんもまた味わい深い。振り乱した髪に色あせた水色のノースリーブのワンピース。ガニマタでどしどしとバスの前のドアから入って後ろに歩いてくる。
私の前に座ったじーさんの片方が、「よぉ、マリア」と力のない声で声をかけた(っぽい。私には聞こえないのほどの声だった)。
ばーさん、立ち止まり、ぎろっとじーさんを睨んで「このくそったれっ! あたしの名前なんか呼ぶんじゃないよっ!」っと叫んだ。
じーさん、びっくりして「だってお前はマリアじゃないか、、、」とこれまた力なさ気につぶやくけど、ばーさんはそれを打ち消すように「あんたにあたしの名前を呼ばれると気持ち悪いんだよっ。その口、閉じときなっ! けっ、気色悪いっ!」と言い放つ。
じーさん、やめときゃいいのに「だってマリア、、、」と繰り返す。さらに罵声を浴びせるばーさん。

じーさん、もうよしときなよ、、、。
と、バスに乗り合わせてた人は思っただろう。少なくとも私は思った。だって、私の目の前でやるんだもん。
ばーさんももう悪態つききっただろうよってくらいついたのに、まだ続く、、、。

ひとしきり、罵声を投げつけた後、ばーさんは私の後ろに座った。
お、お、おおおおーい。挟まれちゃったよ、じーさんとばーさんに。

時間調整か5分くらい停まっていたバス。一服してきた運転手が乗ってきた。

後ろのマリアばーさんが「運転手さーん♡、ブオナセ〜ラ〜(こんにちは)」と甘い声で挨拶する。

前のじーさん、「けっ、”運転手さ〜ん♡”だってよ」と野次を飛ばす。
じ、じーさん、やめとけやー。あんた、火に油をそそいでるー。

ばーさん、もちろん黙っちゃいない。
「黙れ、この老いぼれっ! あたしゃ、あの運転手のこと知ってんだよっ。大体、あんたがあたしの名前なんか呼ぶから胸くそ悪くてしかたないわいっ!」
と、またひとしきりのたうち回る。

挟まれた私はどーしろっちゅーの? もー、笑いたくって仕方なかったけど、ここで笑ったらまずいと思ってガマンしたわよ、そりゃ。

しばらくしてバスが混んできたから、じーさんもばーさんも大人しくなったけど、シチリアに到着して洗礼を受けた気分だったー。

これはおもろかった。


スペイン人も声がでかいと聞く。確かにそうかも。
でも、フランス人ってラテン系でもこれより静かなイメージじゃなーい? イメージだけ?
この違いは何なの? そんじゃ、ポルトガル人はどうなのかなぁ。

いずれにせよ、日本のように携帯電話で話すときの口元を、自分の声を広げないように手で覆う人はいない。(図書館や病院ならいるけど。)
周りがうるさいから、相手に自分の声が聞こえるように覆う場合はあるけどね。そんな場合は必ず、自分の声がきちんと相手に聞こえるように、しゃべってる声はさらにでかくなるけどね。口元を覆っている意味が日本とはぜーんぜん違うのだ。

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