Friday, 12 July 2013

やっとヴィチェンツァ再訪!

Vicenza。ヴェネト州にある、建築家パッラディオの建物が有名な街です。
5年前に一度行った事があるのですが、日暮れが早い冬場だったので、到着した頃にはすでに薄暗く、急ぎ足でパッラディオが設計したテアトロ・オリンピコという立体舞台装置のようなステージになった劇場に行った覚えがうっすらと、、、。

そんな思い出のヴィチェンツァ。
こちらに住むようになってから、近くまでは時々来てたんですよ。相方マンマがヴィチェンティーナ(ヴィチェンツァ出身)なので。
でも、ヴィチェンツァの中心ではなく外。それに親戚巡りと歯医者(相方従兄弟が歯医者なので、相方家族は緊急ではないときはわざわざヴィチェンツァまで来ている)が目的で、街のチェントロをうろうろすることなど全然なく、歯医者に行くわけでも、親戚とおしゃべりするわけでもない私は、「行く?」と聞かれても、進んで行くことはなくなりました。

今回も相方マンマの用事だったけれど、相方が運転手としてついていかなければならず、これはうろうろできるチャンス!とばかりに、仕事をおして行ってきました!


行った、、、んですけどぉ。
時期と時間が悪かった、、、。
ギャラリーは展示入れ替え中が2件、みたかったのに先月末で終わってしまったものが1件と、みるものもなく、、、。テアトロ・オリンピコは既にみちゃったし、、、。
しかも到着してランチして、その後はお決まりの「お昼休み」。12時すぎくらいから16時まで、どこもかしこも休み、休み、休み。本屋も入れず、開いているバールで何杯もコーヒーを飲むわけにもいかず、あっつぅーーーい中を街を2周し、3周目に入る頃、ようやく用事を終えた相方マンマから電話があり、街を後にしたのでした。

なんとも、、、不完全燃焼。
やっぱりね、私と相方っていつもこんなんなんだよね。
いいんだけどね。

せっかくうろうろするってのに、カメラも忘れた私。携帯でちょびっと撮ってきただけなので、紹介できるものはあまりないのですが、そのちょびっとと、ぜひまた行きたいというお店をご紹介。


ランチをするなら。
Righetti
ここはめずらしいセルフレストラン。
カウンターで食べたいものを頼んで受けとって、、、って普通のセルフスタイルかと思いきや、、、。
支払う前に、食べます!
そして食べた後は、お皿などはテーブルに放っておいて、レジへ。そうでなくとも、空いたお皿はどんどんさげられちゃうし。
支払いは、どうやって?
それはもう、「自己申告」です!
「これとこれとこれを食べました」って完全自己申告制。で、レジを打ってくれてお会計。
相手を信用するから成り立つこのシステム。
外にテーブルも出してるから、逃げる人もいるかもしれません。でも、長年このスタイルで営業しているヴィチェンツァでも大人気の1件です。
お値段? もちろんお手ごろ。プリモもセコンドもって頼むと飲み物を入れて10ユーロを超えますが、どちらか1点+サラダやデザートならば10ユーロ以下で充分。
ものすごーくおいしいわけではないですが、大衆食堂の味がおいしいですよー。それより、雰囲気と気軽さが超気に入ったので、またヴィチェンツァに来ることがあれば、絶対に来ます! ヴィチェンティーナの相方マンマもお気に入りの一件。


お茶休憩するならば。
Caffè Pigafetta
バールですが、何が特別かというと、、、。
コーヒーの種類が多い!
そしてお茶も!
さらに、おいしそうな自家製っぽい焼き菓子各種!(お腹空いていなかったので食べませんでしたが)
イタリアンバールは、コーヒーといえば1種類。いつもブラックでしか飲まない私にはとにかく1種類。マキアートだとかカフェラテだとか飲めばバリエーションを楽しめるものだけれど、こちらのバールはそれ以上に、コーヒー豆の種類がいっぱいなのです。
実は、このタイプのカフェをイタリアではあまり見かけません。
イタリア人はイタリアンバールのコーヒー文化を誇っているようですが、コーヒー自体を楽しむというより、気軽にエスプレッソをくいっと飲む習慣と、誰かと一緒にその一杯をおしゃべりしながら楽しむ習慣を大事にしているような気がします。道すがら、誰かに会うと「カフェでもどう?」と近くのバールに入って、簡単な近況報告をして、「じゃ、またね」とごくごく短時間でお互いのアップデートをしていきます。(もちろん、席についてゆっくりする人も多いですけどね。)
時に、この「気軽さ」が、ゆっくり座ってぼけーっとしたい私には短すぎて、飲んだら「もう移動?」というスピードについていけないでいるのですが、、、。
このCaffè Pigafettaは、コーヒーを選ぶところからじっくり時間をかけたくなるので、すごーく気に入りました。で、ゆっくりしてきました!(相方にしては、めずらしくゆっくりですが、私にはまだまだ短めのゆっくり時間でしたけどね。)
紅茶もハーブティーも、種類がたーくさんありましたよ。
相方は、名前は聞いたことあるけど、飲んだことはないというブルーマウンテンをセレクト。そうなんです、意外にもブルーマウンテンはイタリアでは見かけないんですよー。


一応、観光らしきこともしてきました。
カメラを持っていなかったので、携帯で撮ったこちらをご紹介。

『Casa Cogollo(カーザ・コゴッロ)』
パッラディオが設計したという住宅で、今でも人が住んでいるので入り口だけ見れるようになってます。
入り口前は、イタリア語で「ポルティコ」というアーケードになっています。日本の商店街アーケードとイメージが違うのは、屋根がついているのではなく、建物の2階部分が歩道の屋根の役割をしている、と言えばいいかな。建物を建設してもよい1階のセットバックというか、、、。
とにかく、アーケードの屋根部分は部屋なので、一般住宅のこの建物では、部屋の下を誰かが歩行してます。
アーケードを歩いている上に誰かが住んでるわけです。

住んでるのは大概、くるっくるの寝癖のおっさんで、、、。ん?



ぎゃっ! 誰これ!


こわっ!


住んでる人の似顔絵とか肖像画とか彫刻とかではなく、Casa Cogolloの前のアーケード天井にはこれがいるのですよ、これが。

説明書きを見ると、これ、訪問者を室内から見るためののぞき穴。口のところが室内につながっていて、のぞき穴になってるんだそうな。
何もこんなデザインにしなくてもねぇ。(隣の建物にもついていたけど、ふつうの丸い模様でした。)

ポルティコがある家に必ずついているわけではなく、結構珍しいものなのではないかと思ってます。

でも、訪問者が来ると、在宅者は床に這いつくばってのぞき穴からチェックするのかな。それとも、見やすいように何かついているのかな。
これは、住んでいる人のみが答えを知る謎なのでした。

うーむ、パッラディオ、テアトロ・オリンピコといい、ひねりの効いた建築家だぞ。

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