クランプス(Kramps)という伝説の生き物で、Wikipediaによると(元の出典:芳賀日出男著『ヨーロッパ古層の異人たち』東京書籍、2003年)、
「クランプスは通常、悪い子供を連れ去り、地獄の穴に投げ入れるための籠を背負ったイメージで表される。そして、鞭を振るいながら、子供を捕まえて、親の言うことを聞くように、勉強するのだぞと厳しくさとす。」
まさに、なまはげではないか。
ソンチーノに伝わる伝説ではなく、イタリアではオーストリアに近いトレント地方に伝わる風習で、ソンチーノではイベントとして開催したもの。実際はヨーロッパ中部に伝わる風習らしい。
車を走らせ、着いたときには既に始まっていて、どんなのかというと、、、。
こんなんが練り歩く。なまはげっていうか、コスプレ?
沿道の人たちに勢いよく近づいていって恐がらせたりするけれど、ほとんどの人は恐がるというより、絶好のセルフィーの瞬間!とばかりにスマホを片手にバチバチと写真を撮っている(私もそのひとり、セルフィーはしないけど)。
私のところにも来て、かぶってた帽子をちょんって引っ張っていったよ。
ソンチーノの街にクランプスが来たのはイベントなのだけど、伝統行事を観ているのか、現代イベントを観ているのかわかんなくなってしまうような仕立てだったのは残念。
最後に城塞に入っていくクランプス、これがDJつきのノリノリのロック。観客は恐いっていうより、踊りだしちゃってるし。
泣き出す子どももほとんどいなくて、ようやく「もう嫌だー! 帰るー!」と叫ぶ4、5歳くらいの男の子を見つけて、なんだかほっとしてしまった。こうじゃなきゃねぇ。伝説のクランプスもこれで報われる〜。
こんなコスプレみたいな仮面を昔から作ってたわけはないだろう?って何か腑に落ちなかったけど、いました、伝統的な仮面の方がひとり!
これは木を掘った仮面のようです。
でも、これはひとりしか見つけられなかった!
この伝説の生物、クランプス。聖ニコラウス(サンタクロースの起源と言われている)に同行するらしいんだけど、聖ニコラウスもいました。
横からしか写真を撮れなかったけれど、武装したイケメンでした!
でも、なんか、シャア・ザクのような、、、(年齢がバレるっ!)
ソンチーノに着いたとき、クランプスよりも先に出くわしたのが聖ニコラウスで、予備知識もなかったので「なにこれ、コスプレ大会?」と思ってしまったのだけど、相方が聖ニコラウスは聖人になる前は戦いをする人だったと思う、、、と自信があるのかないのかよくわからない情報をくれたので、そういう出で立ちなのね、とわかった。
でも、ここで『コスプレ』なイメージがついてしまい、後から出てくるクランプスたちがみんなコスプレ集団に見えてきてしまった、、、。だって、目が光るようになってるお面をつけてるクランプスもいたし。
ま、ひとりでも伝統的なお面をつけてるクランプスに会えてよかったわー。