Saturday, 9 November 2013

昨日のおばはん、またしゃべる

昨日、バスでときどき一緒になる「運転中のバスの運転手に自分の孫の写真を見せる」という奇行をするおばはんの話をしましたが、このおばはん、どうにもこうにもしゃべらないと仕方ないらしい。

今週はおばはんが乗るはずのバスより1本早いバスに乗ることがあった。
数分遅れて到着したバスに乗り込み、順調に走り出す。私が乗るバス停より2〜3個先のバス停からおばはんは乗ってくる。
おばはん、この日は1本早いバスに乗ってきた。

乗るやいなや、「今日は道路が混んでいるのかしら。このバス遅れてきたわよねぇ」と。

この日の運転手、無視。

そして5分くらい経ってからまたおばはんが、「今日は道路が混んでいるのね。このバスも遅れたでしょ」とおもむろに話しだした。
運転手に話しかけているはず。いやいや、別におばはん、おしゃべりしなくてもいいと思うんだけど。
おばはんは一番前に乗っている。数列後ろに私。もっと後部の座席には若いのが何人かいたけど聞こえるわけない。

運転手、また無言。
おばはん、やめときゃいいのに懲りずにまた繰り返す。
「今日は道路が混んでいるのね。このバスも遅れたでしょ」

運転手、さすがに「はい? 何か言いました?」と切り返した。
運転手、ここで話にのってしまったら最後だよ。おばはんは「今日は道路が混んでるわよね。このバス、遅れてきたでしょ。私、間に合わなくて乗れないと思ったのよ。でも遅れてきたから間に合ったの。いつも運転手はジャコモだけど、今日は違うでしょ。ジャコモはいつも10分くらい早く来る(←ウソやろ)けど、今日は遅かったでしょ」と、何度もバスが遅れたことを強調しながら、しらっと言う。決して怒っている口調でもなく、嫌味を言う口調でもない。
しかーし。運転手にはピキっと来た。

運転手「遅れてませんよ。時間通りに発車しましたから」と。

おばはん「いや、私、オフィスを出るときに時計を見て出てきたけど、このバスに乗れるとは思っていなかったの。でも乗れたでしょ。遅れてきたから乗れたのよ」と繰り返す。
そして「ジャコモの時はいつも早く来るから私も早く行かなければいけないと思って早めに行くんだけど、早めに来たつもりが遅れてきた前のバスに乗れてしまったわ」と、何度もそのバスが遅れてきたことをまた繰り返す。

確かに、数分遅れたかもしれないが、、、。ここまで繰り返されて「ジャコモは、ジャコモは」と言われれば、運転手もあまりいい気はしなかった様子。
運転手「早く来るのがいいってことではないでしょう。遅れることはありますけど、数分早く着いておくのは大事ですよ」と、いい加減にしてくれとでも言いたそうに話を流した。

それでもおばはん、同じことを繰り返す。文句を繰り返す。こんな人、イタリアにはとっても多い。

そして先を行くこと数分、園芸屋さんで働いているっぽいロレンツォという男性が乗ってきた。
このロレンツォもこの時間のバスにはよく乗り合わせる。よくしゃべるけど、物腰の柔らかい人の良さそうな男性。この日の運転手も、よくしゃべるおばはんも、ロレンツォとは顔なじみらしい。
おばはんは早速ロレンツォを捕まえ、このバスは遅れてきた、でも自分はたまたまオフィスを早く出てきたから間に合った、いつもは運転手がジャコモだから早く来ると繰り返す。
さすがに運転手も黙って聞いちゃいない。喧嘩腰にならないようにやんわりと言い返している。
ロレンツォも話を聞いているが面倒くさそう。

やんわりじゃおばはんは聞かない。運転手も面倒だったのか、若干声を荒げて「とにかく時間通りに発車してますよっ」と言い切り、何となく話は途切れた。

そしてまた数分後、おばはんの降りるバス停にきた。

降りる手前で運転手が「ジャコモは早く来るだの、仕事がよくできるだの、色々言ってましたけど、この話はまだ終わっちゃいませんからね。そんなにジャコモがブラボーだって言い続けたって運転手は交代するんですから。それに今日は時間通りに発車してますからね」と、降りるおばはんに一気に言い切った。

バスが停まるときに言うのは正しいかもしれないが、こうなってくると運転手の負け犬の遠吠えっぽくなってしまうのが悲しい。
このおっさんもせこいな。今更、やっぱり言うんかい。

私にはバスが静かになって、事故なく運行してくれたらそれでいいのだ。(いつも眠いし)
だからどっちも黙ってればいいのに。

それで結果的に、このバスは遅れていたのかどうかというと、、、。
遅れてたのだ、実のところ。
運転手のおじさん、きっと出発場所は時間通りに発車したと思うけど、出発場所から3つめくらいの私の乗る停留所で既に数分遅れていて、私が降りるところでは10分ほど遅れていた。

きっとこのおばはん、この後数週間はこのネタで話題は尽きないことだろう。

私は毎日バスに乗るわけではないので、常連メンバーとも思われていないし、話しかけてもこない。
面倒くさいので、ちょっとほっとしているけどね。






2 comments:

  1. totoちゃん ハハハ、バスねたナイス! イタリアあるある日常のひとコマで様子伝わるヮ。
    やっぱ何か言わないと気がすまないんだろうねぇ。
    沈黙が怖い人達の中で静かになることは不安になるのか・・・?!
    それにしても運転手に写真を・・・ってありえんだろ。ハハハ

    これからもこんな中でお互い頑張っていきませう!

    あ、話していて自分が何を話してるか忘れる脳のこと・・・ここにもいるし。笑

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    1. akiちゃん、
      そうか、やっぱりここの人たちは沈黙が怖いのか。確かに、何でもいいから言っとけって感じが窺えるしね。アホなことでも偉そうに言っておけばみんなが聴いてくれて、いつのまにかそっちに話が転がってっちゃうもんね。
      運転中に写真を見せ合う乗客と運転手には、さすがにイタリア人の友達もびっくりしてたよ。

      脳が溶けないように日常の一コマに敏感になっておかないとね。トランポリン同盟もがんばろーねー!

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