Saturday 11 July 2015

暑さでにぶる思考回路

イタリア全土、いや、ヨーロッパ全土、猛暑、猛暑、猛暑。
12年ぶりの猛暑だそうで。というのは、12年前の夏、10月出産予定の赤ちゃんをお腹の中に抱えてこんな猛暑を過ごした義妹から聞いたこと。
そこそこ暑い夏はあるけれど、今年は強烈だわ、本当に。

昨日、一昨日くらいから、若干暑さが和らいだかと。ちょっとだけほっとしたら、頭が働いてくれるようになったかも。

この暑さのおかげで、本気で思考回路がにぶっていた。
にぶると顕著に現れるのは、言語表現。何語にしろ(って、日本語か英語かイタリア語)言葉が出てこない。

先週末、相方の従妹の結婚式があり、トスカーナ北部の街に行ったときの話。
(カメラ、思いっきり忘れましたので、、、お見せできるものがないっ!)

イタリア人の父、オランダ人の母のもとに生まれた従妹は、父親の仕事の都合で世界各地を転々とし、本人も各地を転々とする生活を選び、そして見つけた旦那様はフィリピン人(とってもほんわかとしたステキな人でした!)。現在はルクセンブルグに住み、一児の母になっている。(婚姻自体は既に手続きを終わらせていたものの、出産などでお式がずれ込み、今年になった様子。)
結婚式に集まったゲストは、総勢何人だか数えてもいないけど、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなど国籍は16カ国にわたり、そりゃもう賑やかな結婚式でした。

人前式、アペリティーボも含め、夕方4時から夜中の12時過ぎまで続いたガーデンパーティ。
会場は丘の上に立つステキなヴィラ。庭の横にはオリーブ畑なんて拡がってたりして、そりゃもー、素晴らしい景色にうっとりなところなんだけど、、、。

暑いっちゅーねんっ!

広々とした庭で太陽が照りつける中、食と酒は進み、おしゃべりにも花が咲き、やっと日が暮れてきた10時近くから踊りまくるという、胃も(肝臓も)、脳も、筋肉も全部使いまくる1日となったわけ。たぶん、体感温度40度くらいの中にずっといたのだと思う。

暑い、飲む、しゃべる。飲む、暑い、踊る。

とっても楽しい土曜日だったけれど、暑いものは暑い。疲れるものは疲れる。
翌日の日曜、二日酔いにはならなかったものの、胃の調子が悪い。身体の中心がやられてしまうと、そこに意識が集中してしまう。夜もよく眠れず、疲れが溜まり、はたまた相方家族と旅行をするというちょっとした妙な緊張感(実際、結婚以来、みんなでどこかに行ったのは初めてだった)。「嫁」を装わなければいけないことはこれまでにもなかったけど、もうのんびりしたいよ、あたしは。

何日も続く猛暑が夜になってもひかないので、朝から暑い、暑い。この日はホテルをチェックアウトした後、従妹やその他のゲストがいる、叔父が経営するB&Bに自然とみんなが集まった。
久々の再会を改めて喜んだり、しばしの別れを惜しんだりと、それぞれの帰途へつく前にちょっとした時間を過ごしていたところ、、、。
相方の別の従妹から「お願い〜」と、英語からイタリア語の通訳を頼まれた。はいはいと快く受け、英語で話す子供が言っていることを聞き、従妹の方に向き直って通訳すると、、、。

従妹の目がぱちくり。
なぜ?

一瞬、まったく気付かなかったけど、通訳した私の口から出ていたのは日本語だった、、、。

こういう一瞬って、なぜか長く感じられちゃうんですよね。
ようやく、自分の間違いに気付いて、二人して大笑い。周囲で見ていて気付いた人も大笑い。

もう、頭が動かんのだよ。
土曜の結婚式では、私の他に従妹の友人の旦那様という日本人男性がいて、その奥様(イギリス人)も日本在住経験があり日本語を話す方。
夜になって始まった着席の披露宴では、私の右手にはその日本語を話す一家、左手には相方とニューヨーク在住のスウェーデン人女性とインド人男性。丸テーブルの向かい側には、相方の別の従妹とその旦那様のインド人男性(この一家は現在ワシントンDC在住)と、多言語チームなテーブルだったので、右を向けば日本語、左を向いたら英語、他のテーブルに遊びに行くとイタリア語と、酒のおかげで饒舌にもなって、久しぶりに多言語切り替えをバンバン駆使する日になった。
相方の従妹たちは見事なもので、小さい頃から多言語環境で育っているから切り替えが速い! それに引き換え、おばはんになってから三言語目のイタリア語にチャレンジしてる私には混乱を呼ぶだけ。
いくらがんばっても、酒が切れた翌日には、饒舌な会話を生み出す頭の回路も切れた様子。

イタリア生活もこの夏が過ぎれば6年目に入る。
そろそろ、「まだ○年しか住んでないから、イタリア語はヘタです」の言い訳ができなくなるころかと感じている。
目標を持つためにも、試験を目指して勉強しよっかなー、なんて漠然と思い立った。